県指定無形民俗文化財

天野の御田祭 1月21日午後2時

御田祭(おんだまつり)の起源は平安時代までさかのぼり、元々は夜更けの浄闇の中で、神職と八乙女(童女)が執り行った、農耕祭祀であったと伝わります。

鎌倉時代から神賑として、面白おかしく演じられる芸能である猿楽が行われるようになり、さらに室町時代からは神事と神賑が一体となり、現在のような狂言形式で演じる姿になりました。

本殿前の楼門を舞台とし、面をつけた田人と牛飼が、早乙女たちと共に田植えから稲刈りまでをこっけいに演じます。
観客の笑いの絶えない明るく和やかな中で、「一粒万倍」と唱え、また苗と稲穂を神々にお供えして、その年の五穀豊穣を願うのです。

昭和56年に和歌山県より無形民俗文化財の指定を受け、今でも天野の御田祭保存会により大切に継承されています。

この日は午前11時から、厄年の方をはじめ、祈願者の一年の厄を祓う厄除祭も執り行われます。
(厄除祭の祈願者は、郵送での申し込みとなります)

厄除祭の終了後から、「厄除守護札」とともに「天野宝印」「福の種」が授与されます。
「天野宮宝印」と「福の種(福米)」は、かつては豊作を願い各家の農耕儀礼で用いられましたが、現在では開運招福の福物とされています。