当社への参詣道でもあった町石道と三谷坂は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として、それぞれ世界遺産に登録されています。
「町石道」は、七つある高野山への古道「高野七口」の主要道であり、弘法大師自ら開いた道と伝わります。
九度山の慈尊院から高野山壇上伽藍の根本大塔を結び、総数180本もの五輪塔形の石柱(町石)が、一町(109メートル)毎に建てられ、多くの弘法大師にまつわる史跡や伝説が残ります。
町石道の120町石付近には、当社の遥拝所と伝わる二ツ鳥居が聳えています。ここから丹生都比売神社へ参詣道の八町坂が続きます。
八町坂あるいは手前の六本杉(天野峠)から天野の里へ降り、丹生都比売神社を参拝してから高野山へ目指すのが、高野参詣のしきたりとされていました。
「三谷坂」は、三谷の丹生酒殿神社と丹生都比売神社を結ぶ古道です。かつて丹生都比売神社の惣神主が丹生酒殿神社のあたりに屋敷を構えており、天野へ通うために用いた道であったと伝わります。
町石道より歩きやすく、丹生都比売神社までの近道となったことから、三谷坂経由で町石道へ進む参詣者も多かったといいます。
三谷は丹生都比売大神が天から降臨した地とされ、三谷坂の道中にも、大神が鉾を突き立てたと伝わる「鉾立岩」があります。
大正13年に当社が官幣大社・正一位に昇格した際に、それを伝える勅使が通ったことから、「勅使坂」の異名をもちます。
町石道・三谷坂も未舗装の古道が続きます。歩かれる際にはトレッキングの服装と準備が必須となります。
◆ 町石道(慈尊院~根本大塔)
約22キロメートル 所要時間 約7時間
◆ 三谷坂(丹生酒殿神社~丹生都比売神社)
約5.5キロメートル 所要時間 約2時間30分
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